気になる情報をひとまとめ!派遣コラム

UP DATE:2015/08/14

いまさら聞けない?派遣ではたらく女性が知っておきたい法律の話

派遣やパート、アルバイトは「非正規雇用」と分別され、いわゆる正社員といわれる「正規雇用」と比べるとなにかと不利のような言われ方をしています。テレビや雑誌、ネットなどのメディアでも、非正規雇用の不安定ぶりにばかりフォーカスされているようですが…実は派遣やアルバイトなどの非正規雇用の場合でも、働く側の権利がいくつか法律で守られているのです。
そこで今回は派遣労働にスポットを当てて、意外と知られていない法律に関係するトピックスをご紹介いたします。知っているのと知らないのとでは大きく異なる話題ばかりなので、しっかりチェックして損しないようにしましょう!

サービス残業は違法、って派遣も同じなの?

就業時間を過ぎて働いたにも関わらず、その時間に応じた割増を含む賃金が支払われないという「サービス残業」。みなさんもその名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。サービス残業は違法です。正社員だろうが派遣社員だろうが違法になります。たとえば就業時間後に終礼を行なう、といった行為もすべて残業代が発生します。ただし日本の労働環境では悪しき慣習として根付いているのも事実。自分の不利益になる残業が頻発し、賃金が支払われない状況が発生したら派遣元のコーディネーターに相談してみましょう。

日給制の派遣でも残業代はもらえるものなの?

もちろんもらえます。日給のお仕事に就いている派遣スタッフでも契約書で定められている勤務時間を超えた場合はその時間分の賃金が発生します。参考までに金額の算出方法を。まず日給を所定労働時間で割ります。そこで出た1時間あたりの時給に、残業時間を掛けた金額が支払われる金額になります。

派遣だから有給休暇なんてないですよね?

派遣スタッフにも正社員と同様に有給休暇があります。また加入条件さえクリアすれば雇用・年金・健保・労災にも加入できます。この時の負担額も正社員と同じ額になります。と、いうのも人材派遣会社は許認可事業であり、これらの制度が整備されていなければ事業を営むことができないからです。ただし働いていない期間は派遣会社との雇用契約は切れますので、これらの制度を受けることはできません。

契約していないお仕事は断れる…なんて法律は?

派遣スタッフが担当する業務については契約書に明記されています。つまり契約書に書かれていない仕事は派遣先に求められても従う義務はありません。契約していない仕事を強要されるような場合はその事実を理由に契約を解除することもできます。とはいえ杓子定規に業務を断るのも人間関係を円滑にする上でマイナスですよね。なので、ある程度の業務までは自分のできる範囲でお手伝いすることはあって然るべきでしょう。ただしその業務にばかり手をとられて当初契約の仕事の能率が下がるようでは本末転倒。そんなときは派遣会社のコーディネーターに相談しましょう。

まさか介護休暇なんて夢のまた夢ですよね?

介護する方の状態やお仕事の状況によっては介護休暇が取得できることがあります。派遣社員、契約社員、期間工といった期間の定めのある労働者が介護休暇を取るには、一つの派遣会社に1年以上雇用されていたことがまず第一条件となります。さらに介護休暇入りののち93日後も引き続き雇用されること(これは見込みでOKです)。この2つの条件を満たしていればOK!休業中も賃金こそ支払われませんが、雇用保険に加入していて一定の要件を満たしていれば介護休業給付金も支給対象となります。

派遣でも慶弔休暇は取れる法律があると助かるんだけど…

忌引きなどの慶弔休暇は労働基準法で規定されているわけではなく、各社が独自の就労規則で定めたものになります。派遣会社によっては福利厚生の一環として設定している場合もありますが、規定されていなくても有給休暇を当ててお休みを取るケースがほとんどです。いずれにしても派遣でのお仕事が決まってから必ず条件を確認しておきたいものです。

暇だからって、労働時間カットされましたが…

それはNGですね。契約期間中の一方的な労働条件の変更はできません。いくら仕事がないからといって企業側の一方的な都合で短縮することは不可能です。派遣会社に状況を説明して、派遣先に契約を守ってもらうよう申し入れすべきです。ただし短縮勤務について口頭でも了承してしまっていると「同意した」とみなされることもあります。

勤務中に包丁で深く切ってしまいました。労災なんてありますか?

もちろんあります。前述の通り、加入条件を満たせば雇用保険、厚生年金、健康保険、労災に加入することができます。そしてそれぞれの保険の適用も正社員同様。質問の場合でいえば包丁を使う仕事に就いていて、業務上必要な作業を行なっている条件下で怪我を負ってしまっているのであれば労災が降ります。
まとめ

知っているようで意外と知らない派遣の法律あれこれ。他にもいろいろな面で派遣労働者は法律に守られている部分があります。労働者派遣法、という名前はテレビのニュースなどで目にしたこともあるのでは?また派遣の法律についてはネット上で検索すればさまざまな情報を得られるので、ぜひそちらも活用してください。知らないでいると損をする、知らないうちに損をする…そんなことのないようにしたいものですね。