気になる情報をひとまとめ!派遣コラム

UP DATE:2015/09/10

知っておきたい!派遣とアルバイト、同じ仕事なのに時給が違うワケ

同じ職場で働いていても、普通のアルバイトより、派遣スタッフの時給が高い、ということがよくあります。アルバイトで働いている方は、まったく同じ仕事内容なのに、もらえるお金が多いなんて不公平だ、と少しうらやましいような、腹立たしいような。しかし、ここでひとつ疑問が浮かんできませんか?「企業はなぜ時給が高い派遣を使っているのだろう?」単純に時給だけで考えると、同じ仕事で単価の高い派遣を使うのは、無駄にお金を使っているように見えますよね。(筆者も以前はそう思っていました。)これには働いている側からは見えない、お金の「カラクリ」が関係しています。今回は、派遣サービスのお金の流れから、「なぜ派遣スタッフの時給が高いのか」をご説明したいと思います。

■給与支払いの仕組みの違い

派遣とアルバイトの給料の違いを説明するには、まず両者の雇用システムを理解する必要があります。大きなポイントは、派遣とアルバイトでは給料を支払う対象が違う、ということ。アルバイトは企業から直接雇われているため、給料も企業から直接支払われます。それに対して、派遣スタッフは派遣元の会社に雇われています。企業が派遣会社に支払った金額の中から、マージン(利益や経費)を抜いた分が、派遣スタッフの時給として支払われています。会社が違えば給与のルールも違うため、給料の額が違っても不自然ではないのです。

■同じ職場でも派遣の時給が違う?

同じ職場で働く派遣スタッフでも、派遣元の会社が違えば、時給に差が生まれることもあります。その理由が派遣会社の営業マンにあります。彼らはおのおの企業を訪問して自社のスタッフを売り込みます。この時、何を価値に売り込むかは千差万別。手厚いアフターフォローの場合もあれば、スキルの高さの場合もある。そんな中、価格で勝負しようとする営業マンはどうしても低単価での契約を結ぶことになります。さらに派遣会社ごとに企業から支払われた金額からどのぐらいの割合をマージンにするか自由に設定もできます。これが派遣スタッフ同士で時給にバラつきが生まれる原因なのです。派遣会社の利益を増やすには、マージンの割合を多くすれば良いのですが、それでは時給が低くなり、派遣できるスタッフが集まりません。派遣会社にとって、利益と派遣スタッフの時給はトレードオフの関係であると言えるでしょう。

■なぜ時給の高い派遣スタッフを使うのか

ここまでの内容で、鋭い皆様はお気付きになったでしょう。企業はアルバイトよりも高めの時給に、さらにプラスした金額を派遣会社に支払っているのです。というより、そうでないと派遣会社が商売として成立しませんよね。でも、そんなに高い派遣スタッフを企業はなぜ使うのか。答えは非常にシンプルです。普通のアルバイトを雇うよりも、「高い時給プラスアルファ」を支払う派遣スタッフのほうが安上がりで済むからです。え?言っていることが矛盾している?実はそんなことはありません。働く側から見ると、派遣スタッフは高いコストが掛かるように見えますが、実は通常のアルバイトを雇うほうが、もっと多くのお金が掛かる場合があるのです。

■アルバイトの採用にはさまざまなコストが掛かる

・募集する広告費アルバイトを雇うには、求人サイト、求人雑誌に募集掲載するための広告料を支払う必要があります。掲載する場所や大きさ、期間にもよりますが、通常1枠につき数万円から数十万円以上掛かる場合もあります。また、面接や選考に掛かる人的コストも考慮しなければいけません。・管理するコストアルバイトは企業が直接、労働者と雇用契約を結びます。そうなると、給与の支払いやシフト組みなど、さまざまな管理や調整を行なう人員を確保する必要があります。・社会保険や交通費アルバイトが社会保険に加入する必要があるなら、健康保険や厚生年金など各種保険料の手続きや申請を行なう人員を雇う必用があります。スタッフに交通費を支払う場合、そこでもコストが発生します。このように、ひとりのアルバイトを雇うだけでも多くの費用が発生します。規模の大きい企業なら、時給以外の部分で膨大なコストが掛かってしまいます。数十万円から数百万円のコストを掛けて求人を出しても、応募者が少ない、条件に当てはまる人材がなかなかいない、就業してもすぐに辞めてしまう、といったリスクが考えられます。その度にまた募集広告を出して、と繰り返していては、長い目で見て無駄にコストが掛かる可能性があるのです。

■派遣スタッフを使うと中間コストの削減になる

派遣スタッフを利用すれば、募集広告を出稿するノウハウやコストに加え、社会保険や交通費の申請など、あらゆる管理を派遣会社側でやってくれます。また、欲しい時に欲しい人数だけ、欲しいスキルを持ったスタッフを選定してくれるので、通常の採用に比べて、スタッフが実際に働き始めるまでがスムーズです。イベントや催事のスタッフなど、短期間で人員の入れ替わる仕事ほど、募集広告や管理に掛かるコストを削減できるため、派遣スタッフを導入するメリットがあると言えます。その分浮いたお金が派遣スタッフの時給に設定されていると考えるなら、少し高い時給のナゾが解けたのではないでしょうか。

■派遣には契約期間がある

ここまで読むと、働く側も企業側も、絶対に派遣で働いたほうがお得じゃないか!と思うかもしれません。しかし、当然ながら派遣もメリットばかりではありません。派遣には企業との契約期間があるので、雇用が安定しないというリスクがあります。契約期間が終了すれば、次の更新はなし、と言われても文句は言えません。また、企業が経営不振などで人員を減らす場合、真っ先に対象になるのが派遣スタッフです。それに比較して、通常のアルバイトは簡単に解雇される心配がありません。企業によっては福利厚生も充実しているなど、直接雇用されているということがアルバイトの魅力です。
まとめ

いかがだったでしょうか。これで派遣スタッフの時給が高いヒミツがわかりましたね。安定性を選ぶならアルバイト、時給の高さで選ぶなら派遣、といったように自分が重視するポイントや状況に合わせて、働き方を変えてみるのもよいでしょう。例えば、就職活動が終わって卒業するまでの少しの期間働きたい場合なら、同じ時間でも断然稼げる派遣のお仕事がオススメです。