UP DATE:2015/08/03
その接客用語、間違っているかも?派遣・バイトで見落としがちな言葉遣い
接客業をするうえで必要不可欠なのが「接客用語」。正しいと思って使っている用語や敬語でも、実は間違っている場合も多いもの。新人さんはもちろん、「接客用語には自信がある!」ベテランスタッフさえも間違っていることも…。
接客用語で間違えがちな言葉使いのひとつがずばり「敬語」。敬語が苦手な方も多いのではないでしょうか?「日本語」が世界三大難解言語のひとつとも言われる理由のなかにはこの「敬語」があります。もちろん、敬語が使えなければ接客ができないというわけではありません。それどころか、使い方を間違えると堅苦しく、接客中も嫌味な印象を与えることもあります。しかし、接客などのサービス業において敬語を正しく使えることのメリットは大きいもの。正社員はもちろん派遣やバイトにおいても例外ではありません。間違えがちな敬語や接客用語に注意し、適切な言葉が使えるようになりましょう。
接客用語における「敬語」の重要さ
まずは敬語を正しく使えることのメリットを挙げてみます。・“きちんと”感が伝わる・親しみやすいカジュアルな接客であっても、だらしなく感じられない・年上のお客様からの信頼を獲得しやすくなる・敬語に敏感なお客様に不快感を与えないなど、ぱっと思いつくだけでもいくつもあります。接客業をするにあたり、敬語は正しく使えて損はないのです。
「敬語」の3つの種類
適切な接客用語が使えるよう、基本的な3つの敬語の意味を正しく知りましょう。「尊敬語」…相手に対して直接敬意を表す言葉。お客様の動作や状態に対して使う。「謙譲語」…自分にかかわることを謙虚に表すことで相手を敬う言葉。自分や自分の店、同僚のスタッフの動作や状態に対して使う。「丁寧語」…物事を丁寧に表現することで相手に敬意を表す言葉。
慣用表現を覚えておこう
敬語を使った接客用語が苦手な方は、よく使う慣用表現をまるっと覚えておきましょう。その数が増えることで、徐々にスムーズに話せるようになります。・自分→わたくし ・自分の店→わたくしども ・相手→〇〇様、お客様 ・相手の妻→奥様 ・相手の夫→旦那様、ご主人様 ・相手の娘→お嬢様 ・相手の息子→おぼっちゃま、ご子息様 ・同伴者→お連れ様 ・この人→こちらさま ・あの人→あちら様 ・値下げ品→お買い得品 ・割引→ご優待 ・プレゼント→ご進物、おつかいもの ・自分用→ご自宅用 ・用途→ご用向き ・欠品→品切れ ・お釣り→お返し ・修理→お直し ・今日→本日 ・あとで→のちほど ・さっき→先ほど ・あっち→あちら
間違えやすい接客用語①「よろしかったでしょうか?」は、よろしくない!
それでは実践編です。一番代表的な間違いがこちら。使ったことがある人も多いのではないでしょうか?お会計の時にお客様からお金をお預かりして、「○○円でよろしかったでしょうか?」とひと言、お客様に頼まれたサイズをお持ちした時に、「○○色でよろしかったでしょうか?」とひと言。結構色々な場所で耳にする「よろしかったでしょうか?」という接客用語。でも、実はこれが間違い。お客様に確認をしているのに、過去形を使ってしまってはおかしいですよね?正しくは「よろしいでしょうか?」です。
間違えやすい接客用語②「ちょっとお待ち下さい」は、ちょっと待って!
会計時のおつつみや、別の場所から商品を持ってくる時など、お客様にお待ちいただく機会は非常に多いものです。そんな時に出てくる接客用語が、「ちょっと」という言葉です。これは敬語ではありません。正しくは「少々」。「少々お待ち下さい」や「少々お待ちいただいても宜しいでしょうか?」と言いましょう。普段は使う機会があまり無い言葉でも、普段の仕事中に意識して使うようにすればすぐにスムーズに口から出てくるようになります。最初は1人の時などに、口に出して練習してみても良いかもしれません。
接客用語の上級テク「敬語」にスパイスを効かせる
しかし、正しい敬語がお客様の心に響くかどうかというと、それはまったく別問題。言葉遣いに気を取られるあまり、肝心の内容が薄いものになってしまっている人もいます。確かに、敬語、謙譲語、正しい接客用語が使えることは大切です。しかしもっと大切なのは、お客様に楽しく聞いていただけるような、オリジナルの話し方に進化させていくこと。スパイスを利かせるように、あえて「タメ語」を織り交ぜたり、接客中もお客様との時間を楽しいものにする工夫をしてみましょう。あえてアレンジした会話こそが、互いの共感を深めたり、親しみを感じたりしていただくために効果的だったりするのです。
まとめ
アレンジができるようになったら一人前。とはいえ、目上の方や上司にはきちんとした話し方が必須です。間違えても「タメ語」を使わないように。そのためにも、正しい敬語や接客用語を身につけておくことは大切。今回紹介した接客用語や敬語だけでなく、他にも間違えやすい言葉はたくさんあります。最近ではネットなどでも「間違えやすい敬語」を勉強できます。空いている時間にスタッフ同士でロールプレイングしたり、家族相手に練習してみましょう。慣用表現は単語帳などに書いて、通勤中などスキマ時間でお勉強するのも◎。そうするうちに社交の場や、目上の人と触れ合う機会が出た時に自然と敬語も出てくるようになるでしょう。間違った言葉遣いは厳しいお客様によっては苛立たせてしまう原因にもなります。そんなことの無いように、しっかり意識して正しい日本語を使いましょう。